バーデン・ヴュルテンベルク州フリーランスに1180€・続報

前回、水曜日の更新では、バーデン・ヴュルテンベルク州 (以下BW州) の経済相が、州のフリーランスにひと月あたり1180€の生活費を支給するとFacebookのアカウントで発表したことを報告しました。記事はコチラ↓


木曜日の朝、州の経済相のウェブサイトから経済支援のページを開いてみると、早速新たな申請フォームがダウンロードできるようになっている。開いてみると、前のフォームよりもかなり簡略化されている。ただし、最も気になる情報「生活費としてひと月あたり1180€」は、申請要項やQAをくまなく探しても見つからない。しかし州の経財相のFacebookのアカウント、ならびにInstagramのストーリーにははっきりとそのように投稿されている。フォームを再度見直すと、3ヶ月分の申請金額の記入欄の次が「その申請金額のうち、生活費に充てられる金額」の欄となっている。古いフォームには無かったこの項目。これが敢えて付加されているということは、この支援金が生活費にも想定されていることのはず。これらの状況を考え合わせて、ひと月あたりの生活費を1180€、それに個人事業での3ヶ月分にかかる経費を加えて最高9000€以内まで申請できるもの、と僕は理解しました。よって木曜日のうちに、生活費は1180€*3=3540€、そこに確定申告でも認められる固定経費を3ヶ月分算入し(僅かですが)、あっという間にオンラインで提出を済ませました。

その後、情報を漁りに漁りまくった挙げ句、経済相のサイトの、支援金のページとは離れた広報のページにて「経済大臣は自営業者に対してひと月あたり1180€の生活費を認めることを明らかにした」との一文を含む記事をようやく発見しました。支援金を司る経済相のウェブサイトが発している情報なので100%信頼できます。

他の州の経済支援に関しては、今のところ進展を聞きません。イースター休暇なんです。聖金曜日から4日間、月曜日まで。社会は充分にロックダウンしていたと思っていましたが、更に機能を弱めたこの週末でした。復活祭ミサもなければ受難曲のコンサートもありませんが、各家庭でそれぞれに、卵に着色したりそれを隠したり見つけたり食べたりしてイースターを過ごしていらっしゃるようです。僕は、ここぞとばかりに昨年分の確定申告に全力で取り組んでいました。

ところで以前の記事 (コチラ) で、BW州ではこの規定改正前までは大きな固定支出のある個人事業主にしか支援が出ず、フリーの芸術家には全く支援がなかったかのように書きました。大きな訂正があります。僕の周りに、規定改正以前に支援金を「生活費として」申請して、その後ガッツリ受領した音楽家の友人を確認しました。しかも複数。

ある人は、支援金の支払われる対象が事業支出のみだと理解した上で、申請フォームの備考欄に「家賃や生活費を払うのに今すぐ現金が必要だから」と堂々と明記し、生活費としては割と控えめな金額を申請したところ、希望額がすぐに振り込まれたそうです。また別の人は、支援金の趣旨についてそもそも調べず、申請フォームの記載内容もろくすっぽ読まず適当に要領よく埋めて提出したら、後日希望した額がそっくりそのまま口座に入っていたそうな。

なぜこのようなことが起こり得るか。そもそも緊急支援の主旨は、突然収入源を失って倒産・破産寸前の個人事業主にすぐに現金を与えてその場を凌がさせること。よって役所は、申請内容の表面的な部分のみを確認次第、希望額をすぐに振り込むことを約束しています。おそらくこの時点でチェックされるのは、申請者がその州に住民票を置き、フリーランスとして働き、その州に納税していること程度でしょう。ただし、後に細かいコントロールが入り、不当な申請であることが発覚した場合、法に則って罰せられることとなっています。

が、よく考えてみると、そんなコントロールを将来役所が行うのかどうか、極めて怪しいような気がします。現在の役所のキャパシティを考えてみると、そんな仕事に時間を割く余裕を持てるのは、おそらくある程度社会が落ち着いてしばらくしてから。その時になってはじめて各申請者の当時の経済状況を過去に遡って問い質すことは困難ではないでしょうか。そもそもあちらが提示してきた条件がかなり複雑だったし、最初のフォームの記載内容も分かりにくいものだったので「ややこしいがな」とか言って逃れられそうな気もします。知らんけど。

結構な人数と情報を分かち合っていたつもりでしたが、僕の周りはクソ真面目な人ばかりだったのでしょう。対象が事業支出に限られるということならば固定支出の極めて少ない我々には全くチャンスは無いと理解し、諦める、待つ、もしくは抗議する、などの選択肢しか念頭にありませんでした。そういえば彼ら、普段も、税金や保険料の手続きにおいてもマニュアルや法律をしっかり理解し、過失による不正を事前にきちんと防ぐ人達ばかりでした。今回は、マニュアルに沿わず積極的に行動に移した人がいち早く現金を受け取れるシステムのゲームでした。

いずれにせよ、規定が改善された今、BW州のフリーランスは皆ある程度安心して生活を送れるようになりました。大変喜ばしいことです。他の州の政治家達もBW州にならって勇気ある決断を為してくれることを僕は信じています。でなければ不公平だから、という理由だけでなく、芸術大国を誇るドイツだからこそ、そうあってくれなければなりません。

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