フリーランスの合唱歌手の生活① -プロジェクトとは-


早速何回かに分けて、ドイツのフリーランスの合唱専門の歌手の生活を紹介していこうと思います。

僕たちは複数の合唱団や声楽アンサンブルに所属し、そこからプロジェクトという単位で仕事をいただいて収入を得ます。プロジェクトとは、リハーサルが始まってから本番が終わるまでの期間です。場合によっては、リハーサルした曲をCDやラジオ放送のために録音することもあり、それもプロジェクト期間に含まれます。

プロジェクトの期間は実に様々。たった1日の間にリハーサルして本番を済ませてしまう場合もあれば、1ヶ月以上かかるプロジェクトもあります。でもまぁ、平均的なのは1週間から2週間くらいかな。例えばその合唱団が過去に演奏したことのある演目で、さほど練習する必要がない場合、プロジェクト期間が短かったりします。逆に、演目が難曲の場合は、綿密に練習して合わせる必要があるので長いプロジェクトになる傾向があります。また、ツアーで同じ演目で色んな街を巡業していく場合も長いプロジェクトになります。

リハーサルや本番の場所が自宅から遠い場合は、交通費が出て、合唱団が用意するホテルに泊まることになります。良い合唱団ほど遠方からであっても良い歌手を呼ぼうとしますし、また我々歌い手の側も、良い合唱団ならば遠方であっても是非とも参加したいので、音楽的レベルの高い合唱団ほど様々な地域から人が集まる傾向があるような気がします(主観です)。旅芸人生活も徐々に慣れてきます。僕は年間に100150泊くらいホテルで寝泊まりしています。

具体的なスケジュールの例を挙げてみます。本番は週末にある場合が多いので、例えば月曜日から木曜日までリハーサルをして、金曜日にゲネプロ、土曜と日曜に本番、とかね。日曜の夜に本番が終わったら、ホテルに泊まって翌月曜の午前中に別の街の合唱団のところに移動して、別のプロジェクトが始まる...という感じにプロジェクトをハシゴすることもしばしばあります。

我々を雇用してくれる合唱団には大きく分けて、放送局の合唱団と、フリーランスによって結成されている合唱団の2つがあります。長くなりそうなので、この2つの違いについては次回に。

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